
消化器内科
消化器内科
生きていくことに必要なエネルギーとなる食物を体内にとりこみ、消化して吸収し、からだを構成する材料をつくり、貯蔵し、不要となったものを排泄する、一連に関わる臓器を総称して消化器といっています。多様な働きをする消化器ですが、障害された場所によってそれぞれ違う症状がでてきます。
食道・胃・小腸・大腸といった臓器は管状をしていて、その内側は粘膜に覆われています。その粘膜は絶えず新しい組織に生まれ変わっていますが、何かしらの原因でその再生に異常がでることがあります。
よく食あたりと呼ぶもののなかには、ウイルスや細菌などの病原菌が正常な粘膜を障害するために腹痛や下痢といった症状を生じていることがあります。日本で罹患率が多い大腸がんなど、消化管のがんは粘膜からがん化した細胞が増殖しだんだんと大きく深くなっていきます。進行すると腸閉塞などの症状をおこしますが、早期は症状がでないことが多いです。症状がでるまえに見つけて手をうつことが大切といえます。また消化管には神経が密接に分布していて、自律神経の異常でも腹痛や食欲不振といった症状がでてきます。
一方、実質臓器の肝臓は非常に大きな臓器で、主に吸収した糖や脂肪をからだを構成する材料に合成したり、貯蔵したりする働きを持っています。胆汁という消化液も生成しています。また再生する珍しい臓器でもあります。大きいということもあって、一部の細胞が障害されても自覚症状がなかなかでません。大部分が障害されると胆汁のながれが滞って黄疸がでてきます。生きるために非常に大切な臓器ですので、肝臓の障害を早くとらえて回復させることが大切です。
膵臓も実質臓器ですが、後腹膜といってお腹の空洞の背中側の腹壁にはりついてます。膵臓は膵液といって蛋白を消化する酵素を分泌します。ですので、膵臓がアルコールなどによって障害されると膵液が自分の体を溶かして背中の痛みがでてきます。
このようにさまざまな働きをする消化器、みなさんの症状のなかから、どこにどのような問題があるか捉えて、治療を行っていきます。
「腹痛」「嘔気・嘔吐」は消化器のどこかに炎症がおきていることを示唆します。緊急性があることもありますので、受診していただき迅速に判断を要します。
緊急性がないにせよ、ながびく腹痛や不快感に悩むこともあります、こちらは原因がわかりにくいことがありますので、慎重に診察させていただきます。
「便がほそい」「お腹がはる」といった症状のなかに、大腸がんなどの消化器のがんが隠れている場合があります、気になる方は専門的に診断から治療までを最新の知見をもとにご案内します。
足の付根の膨らみ、おヘソの膨らみは鼠径ヘルニアや臍ヘルニアといって、お腹の壁の弱いところから臓器が脱出している病気の場合があります。基本的には放っておいても改善しないので、受診していただければ適切に対応します。
健康診断などで肝臓の数値異常を指摘されたことはないでしょうか?脂肪肝や肝炎になっている可能性があります。食生活の近代化によってありふれた疾患の一つとなってしまいましたが、悪化すると肝硬変や肝臓がんになるリスクがあり、早期の対応が必要です。
私はこれまで胃がんや大腸がんといった消化器がんの治療・研究にたずさわっていました。早期にみつけることと、みつかってしまったときに、患者様ひとりひとりに合わせて適切な治療に導くことが大切だと考えています。早期であれば内視鏡で治療できることもあります。進行した場合には手術が必要となります。そのほかにも化学療法や放射線治療など治療法は多彩です。近年ではがんの遺伝子情報をもとにした診断と治療の臨床応用がすすんでいます。必要に応じて専門機関をご紹介します、また、最新の知見に基づいた方針をご提案します、安心して相談していただければと思います。
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