
消化器内科の症状
消化器内科の症状
腹痛の原因はさまざまで、胃や腸などの消化管の病気だけでなく、神経筋からくる痛み、大小血管の病気、女性付属器の病気、泌尿器の病気まで幅広く考えられます。痛みの場所や性状、発症が急性か慢性かなどのエピソードから原因を明らかにしていきます。
消化管から起因する腹痛を疑ったとき、器質的な(目に見える明らかな)疾患があるかどうかをみます。特定の臓器に目に見える明らかな障害(潰瘍、炎症、穿孔、血流障害など)があるとき、器質的な疾患ありとしてそれをいかに取り除くかに的をしぼり治療をすすめます。一方で目に見える疾患がないこともあります。例えば消化管は自律神経が張り巡らされていますので自律神経に変調をもたらすストレスや生活習慣が原因であることもあります。それらを全体像で捉えることで、本当の原因がみえてくることがあります。また、近年ではゲノム研究の進歩で特定の遺伝子変異が病気の原因としてわかってきました。健康に気をつけて生活していても、病気になってしまうことはあります。
皆様の悩みに耳を傾け、寄り添いたいと思いますのでご相談ください。
急に発症する腹痛には、急性虫垂炎や急性胆のう炎など、急いで外科治療を要する疾患があります。手術をするべきかどうかその判断に最も役立つもののひとつは身体診察です。経験に裏付けされた洞察力で手術適応の判断を行います。一方で、本当は手術を必要としない疾患も明らかになってきました。ときに難しい判断もありますので、慎重に診察させていただきます。
消化管の障害に由来する嘔気の原因として代表的なものがウイルスやその他の病原菌の感染による急性胃腸炎です。多くは、自然に軽快しますが、嘔吐や重度の下痢を伴うときは脱水症に注意が必要になります。
その他に、腹部の張りを伴う嘔気・嘔吐で見落としてはいけない重要な疾患が腸閉塞です。なんらかの手術後の癒着が原因であることが多いですが、手術歴がなくても腸閉塞は起こり得ます。入院での治療が必要になる疾患です、上記の症状がある方は受診していただければ、身体診察やレントゲン撮影で判断します。
嘔気の原因は消化器疾患だけとは限りません、めまいや脳出血などの中枢神経の疾患、狭心症などの循環器疾患、尿毒症などの代謝疾患でも嘔気のような症状がでます。
全身をトータルで丁寧に診察し、患者様の悩みに応えられるようにしたいと思います。
体調不良に伴う一過性の食欲低下はよくあることですが、体重減少(約5 〜10%以上)を伴うような食欲低下は非常に注意が必要です。器質的(目に見える明らかな)な疾患が隠れている場合があります。消化器疾患では、食道がんや胃がんなどの悪性腫瘍を見落とさないようにしなくてはなりません。なんらかの腸管の閉塞でも嘔気を伴う食欲低下が生じます。
消化管に限らず、感染症や自己免疫による炎症でも、消耗して体重減少を伴うような食欲低下が起きることがあります。
器質的な疾患がない、心因性の食欲低下も注意が必要です、大幅な体重低下を伴うようなときは危険性が高いので放置してはいけません。
食欲低下は重大な疾患のサインのことがありますので、気になる方は相談してください。
慢性的な便秘に悩む方は多くいらっしゃいます。漫然と市販の下剤などを長期間内服していると、症状を悪化させるだけでなく、まれに大腸の壊死や穿孔など大きな病気に遭遇することもありますので、できれば専門医による治療が望まれます。近年では、便通異常に対する研究も蓄積されてきて、治療法の選択肢も増えてきました。
また、便秘や下痢を繰り返すようなときに大腸がんが隠れていることもあります。
下痢症状で最も一般的なのは感染性腸炎です、自然に軽快することが多いですが、原因菌によっては症状が重いこともあります。下痢や便秘など便通異常が長引きストレスなどの誘引があるとき過敏性腸症候群の可能性がありますので、ひとりで悩まずに相談していただければと思います。発熱や下血を伴うときは炎症性疾患を除外しなくてはなりません。
専門的な診断と治療が必要となりますので、ご案内します。
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